【映画】300 [2007]

2014年01月30日 10:14
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"Spartan!"
"Yes, my lady."

"Come back with your shield or on it."
"Yes, my lady."



今朝は昨日とは違って激しい映画が観たくなったので久しぶりに 300 を観ました。
ペルシャ戦争の中の一戦、レオニダス1世率いるスパルタの少数の精鋭を中心としたギリシアの連合軍と、クセルクセス1世率いるペルシャ軍との戦闘をモデルにした映画です。

マラソンの由来となった前490年のマラトンの闘いから十年後の前480年、ペルシャの侵攻に対しギリシア諸都市はテルモピレーにて迎え撃つことを決議しますが、祭祀の時期にあったスパルタは全軍を出すことが出来ず、レオニダス王は、300の歩兵を個人的なボディガードと称して「散歩」に出かけるのです。

映画のタイトルにもなっている300という数字はヘロドトスの記述によるものですが、実際の数には諸説ありペルシャ軍の数についても色んな説があるそうですね。


上に載せた台詞は映画の中で「散歩」に出て行くレオニダスに向かって、最後に妻がかけた言葉です。


"Come back with your shield or on it."


これは何が言いたいのかと言うと、前半部分はそのまま「勝って戻ってきて」ということ

後半部分の or on it については it はもちろん shield を指すわけですが、当時のギリシアは(スパルタは少し性格が違うが)市民が自弁で装備を整え重装歩兵がファランクスを組んで戦争で活躍していた時代です。

スパルタはどちらかといえば商業がさかんで、ほとんどが狭いギリシア諸都市の中では、比較的広大な土地を持っていたポリスで、多数の奴隷(ヘイロータイ)を少数の市民が従え、商業よりは農業で自給自足的な生活をしていたため、市民はリュクルゴスの制つまり Sparta's law に従い男女ともに幼いころから軍事訓練を組織的に行い(ヘロットの反乱を恐れた為でもある)ギリシア最強の歩兵軍を持っていたポリスです。

or on it というのは恐らく「スパルタの掟に従い、スパルタの兵士として、戦いに殉じて、(盾の上に乗せられて)帰ってきて」という意味だと思います。


派手な戦闘シーンで有名なこの作品ですが、序盤のこのシーンに代表されるように「盾」がスパルタの象徴であるように思われるシーンが多かったように思います(有名なスパルタのラムダマークもこの映画では盾にのみ描かれていました。)

ネタバレになるのであまり多くは書きませんが、途中のレオニダスの台詞にも剣よりも盾を重視するような言葉が有りました。

ファランクスというのはこういう感じです(フィクションなので実際とは違うようですが)

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あまりそういう風には見えないかもしれませんが、盾は自分よりも隣の人を守ることを重視して運用されたみたいですね。複数人がお互いを守りながら騎兵等と戦うわけなので、かなりの訓練を要したはずです。

派手な戦闘シーンは何回観ても圧巻ですが、ファランクスでの連携も実際とは違うとはいえ、役者達はかなり練習を重ねて演技しているように感じました。CGの多用で評価を下げている部分がある映画ですが、私は頑張ってると感じました。



ただペルシャ兵の謎衣装には笑えましたね。

かの Imortal(不死隊)も何故か忍者のような格好で、クセルクセスに至ってはホモホモしい変態みたいな感じでしたw

不死隊

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クセルクセス

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クセルクセスでかい。


CGかもしれませんが、屈強な漢たちがたくさん出てくるので、そういうのが好きな人にはおすすめですね(意味深)

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戦闘シーンはスローモーションの使い方がうまくて、まるでゴッド・オブ・ウォーの世界に入ったような感じで素晴らしいです。

今後も映画を観たら軽く感想を書くつもりですが、一貫して最後に「好き」か「嫌い」かは書いておこうかと思います。何故かというと私は結構同じ映画を何回も観る方なんですが、ラストくらいまで観たあたりで「あ、これあんま好きじゃない映画やった」と気付くことが多々あるので、一度観た映画は「好き」か「嫌い」かはメモしておこうと思ったのです

この映画は、私は好きな映画です。

理由とかは書きませんが、好きな映画であることは間違いないですね。ちなみに昨日みた「今を生きる」という映画も好意的な感想を持ちました

今日も昨日と同様英語だけで字幕無しで観たんですが、一回観たことがある上に以前観た時よりペルシャ戦争についての知識も格段に向上したので、かなりすんなり台詞が入って来ましたね。しっかりと聞かなくて良い部分も多い映画なのでなおさらでしょうか(雄叫びを上げているシーンが多いw)

好きなシーンは最初に書いたシーンですが、ラストシーンのカメラワークもかなりグッと来るものがありました。

ところで、この映画もうすぐ続編が出るそうです。テルモピレーの戦いのあと有名なアルテミシオンの海戦・サラミスの海戦・プラタイアの戦いと立て続けにギリシアとペルシャの間で戦争が行われますが、続編はどうやらアルテミシオンの海戦について描くみたいですね。

アルテミシオンの海戦とサラミスの海戦は、スパルタよりはむしろテミストクレス率いるアテネの方がメインになる気がするんですが(海戦なので歩兵ではなく三段櫂船が活躍する戦いですしね)、いずれ観ようと思います。



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